フセインチャラヤン / 井上嗣也 / 破滅ラウンジ

とても密度の濃い一日。


午前中から出かけて、まずはMOTへ。

フセイン・チャラヤン- ファッションにはじまり、そしてファッションへ戻る旅」展


この展示で感じたのはファッションという領域の拡張、物語性。

僕はチャラヤンの作品に「未来の服とその意味」とか「服の本質とは」みたいなことを感じたりはしなかった。

僕が思うに、チャラヤンのクリエイションはあくまで彼の想像でくくった一筆書きのような枠組みのフィクショナルな物語、あるいはチャラヤン本人の特別な生い立ちやアイデンティティ(キプロスについて勉強して来ればよかったと少し後悔)によって積み上げられた経験の引用からの想像の爆発である。それは、飛行機のモチーフであり、「アフターワーズ」の物語である。

彼がやっているのは、まぎれもなくアートであって、デバイスがファッション(拡張されて映像、空間、建築)であるだけだ。

僕の中で、「111」のショー映像のラストに服が変形してモデルが裸になる場面が本展示のハイライトでした。



チャラヤンが予想以上に重かったので(いい意味です)この時点で、若干ぐろっきー。

あまりにもおなかが減っていたので、MOT内のCàfê Haiにてランチ。すごいベトナム感でした。

MOTを後にすると、ものすごく気持ちのよい天気で、歩くのが楽しい。

メトロを乗り継ぎ銀座へ。こういうとき、東京の交通てすごい便利だなと感じる。



「TALKING THE DRAGON 井上嗣也」展 @ ggg


この展示はComme des Garçonsのアートワークで有名な井上嗣也初の個展である。

もうとにかく、

とにかく、

かっこいい。すごい馬鹿っぽいが。

ちょっとかっこよすぎて、終始笑ってしまっていた。すごい気持ち悪いが。

これが、グラフィックデザインなのだ。

作品集一番しっかりしたの買おうとしたが、お金が足りず断念。



頭がふわふわしたまま渋谷へ。やはり、便利だ東京メトロ


破滅*ラウンジ」@ NANZUKA UNDERGROUND 渋谷


(写真撮ったと思ったら消えてたので、けんすけから拝借です…)


入った途端にものすごい状況。ギャラリー中央に旧型デスクトップパソコンの山、それを中心とした円周上に寝そべり、プログラミングを続けるプログラマーたち。鳴り響く音楽に、踊り狂う人々。それを見守る観客。

これはまつりだ。御神体を中心としたまつり。

キュレーターの黒瀬さんにお話を伺うことができた。

破滅ラウンジにおける、今のタームは、現在進行形で繰り広げられるリソースの発掘と分割を観客に「見せること」。

現在日本におけるアートにおいて、リソースは枯渇している。「カオスラウンジ」の特徴はリソースを掘り起こす人々が沢山いることで、それを見せることにまず意義がある。そして、それにはまつりが必要だ。

しかし、リソースの集積はアートになりえない。なぜならそれらは、時間軸をひとつしかもたないから。それが途絶えると、そのメディアはもう生きられない。そして、なかなかメディアアートが生き残れない実態もこの辺りにあると思う。

この点こそが、発掘したリソースを、現実のものとして移行する、カオスラウンジ的に言うと工学的介入から、人為的介入、そして自身のアーキテクチャ化、のタームに移行するということが2010年代のアートを生み出すと言える動機であろう。

2010年代のアートシーンはとんでもなく面白くなっている。

次は、かたちとして現れたものを見に行こうと思う。