「クラウド時代と」
- 作者: 角川歴彦,片方善治
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2010/03/10
- メディア: 新書
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いままでウェブというものに関心はあったものの、それに関する情報や知識をインプットすることに気だるさを感じていた僕だったが、さすがにやばいと思い、この本を手に取った。
構成としては全7章からなる情報革命をテーマにした著である。
1〜5章までは主に過去から現在へのネットワークの進化とそれに準ずる社会的副作用、アメリカ企業どおしの戦いの予見を描き、6〜7章では未来における新たな「革命」と日本の歩むべき道を著者:角川歴彦が提言する。
内容を要約すると
「日本のクール革命、大衆から世界へと送りだされる日本のクール」
「ガラパゴスのままでいい日本」
「google、Apple、Amazonといったアメリカの巨人企業が世界中のウェブのシェアを握った」
「web2.0以降、ipod、youtubeの出現によりバラエティーコンテンツの覇権を賭けた戦争が幕を開け、ipad、キンドル等に代表されるデジタル出版が次のステージとなる。その次は映画、ゲーム。ここを押さえて戦争の勝者が決まるのが2014年だろう」
「日本はその間、技術産業のチープ革命のあおりをもろに食らい低迷、情報産業の国内シェアを完全にアメリカ企業に奪われるかたちとなり、いまやソフトウェア会社の下請け的ポジション」
「グローバリゼーション嫌いでイノベーション下手な日本人、オプトインからオプトアウトへ転換すべき」
「フラット化する世界におけるクラウドコンピューティングの革新性、究極的に世界は1台のコンピュータとなる」
「ナシーム・ニコラス・タレブ著『ブラック・スワン』を引き合いに、アメリカを<果ての国>、日本やヨーロッパを<月並みの国>とし、予測不可能⇔予測可能などと対比させ、革命は起こり得るのかと問う」
- 作者: ナシーム・ニコラス・タレブ,望月衛
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2009/06/19
- メディア: ハードカバー
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「月並みの国でも革命は起こる。主役は大衆。」
「NASAとの提携によりアメリカの軍事とも繋がったgoogle、情報植民地化する日本。」
「クラウドコンピューティングは情報インフラストラクチャーであり、家庭から政府までまきこんだネットワーク社会を構築する」
「日の丸クラウド『東雲(しののめ)』プロジェクト」
「G to C(government to consumer)を終結した電子政府の構築」
「クラウド・コンピューティングの4レイヤー:1.情報インフラ、2.ネットワークサービス、3.プラットフォーム、4.コンテンツ」
「国家主導の情報インフラを普及させることによって、大衆がやばい、クールなものを世に出しやすい環境となる。主人公は大衆。」
と、こういった感じだったのですが、
・クラウド・コンピューティングの詳しい話をインプットできたのは中々よかったのですが、国家主体のシステムづくりの提言としてはいかんせん遅すぎやしないか?そうでないことを祈りたい
・東雲プロジェクトが完遂するとして、大規模な土地、投資、熱源の逃がし方など、環境、スマートグリッドの問題も絡んで最終的に、コンピューターを配置する地域は北海道という答えには「確かに」となった
・上記3.プラットフォーム、4.コンテンツの出来によっては完全に『サマーウォーズ』のOZの世界じゃないか
- 出版社/メーカー: バップ
- 発売日: 2010/03/03
- メディア: DVD
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・2014年にバラエティーコンテンツの勝者が決定するというが、日本企業にわずかでも勝ち目があるとすればそれは角川さんではなくて、孫さんだと思う
・革命を起こす大衆に本当に自由意思はあるのか。民主党政権を大衆が自らの意思で選んだことが例に挙げられていたが、あれは積極的に勝ち取られた政権ではないと思う
・それでも日本の文化の独自性、異質さをキープさせよう、ガラパゴスのままでいいという提言はそうだなーと思う。オタクってそういうことでしょ
・すなわち、サービスも、ストレージも、プロセッサーも、アプリケーションも、プラットフォームも、コンテンツも全て含んだ世界への窓口を大きくするインフラを組むのが、これからの日本の役割であるし、企業もそこにこそ投資してゆくべき
また、カオスな都市に住まい、内向的で繊細、独特の創造的感性をもった日本人大衆(敗戦国故の国民性か)はこれをフルに活用しイノベーションを起こしてゆくべきである。
といったざっくりとした感想。
たしかに国家主体のクラウドサービスは必要であると思うし、そうすれば今の不透明な政治に対する関心もあがると思う。というか、本気でそこに着手し、迅速に結果をだしてくれる日本だったら、僕は素晴らしいと思う。
ようするに繋がりをもつことが大事なんだ。
その先のイノベーションのチャンスを掴むことは大衆、企業問わず全力で果たすべき責任にも似たものであり、僕もそこにいたいと思う。
最後にこんなんみつけました。この本に対するZAPAnet総合情報局管理人ZAPA氏の書評。
[Z]ZAPAブロ〜グ2.0
http://zapanet.info/blog/item/1901
手厳しいw